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伊都ゴルフ倶楽部は、福岡県糸島市にある18ホールのコースです。「伊都」とは糸島地域の古い呼び名で、この土地の歴史を名前に残しています。
このコースの性格を決めているのは地形です。雷山という山の裾野に広がる丘陵コースであり、さらに大きな溜池をハザードとして取り込んでいます。本記事では、その設計と現在の姿を整理します。
基本情報
まず数字を押さえます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県糸島市香力 |
| 開場 | 1976年11月 |
| 設計 | 瓦林潔・藤井義将(共同設計) |
| ホール数 | 18ホール |
| パー | 72 |
| 全長 | 約6,830〜6,844ヤード |
| コースレート | 72.8 |
| グリーン | ベント |
| 種別 | 丘陵 |
開場は1976年11月です。日付については資料によって11月3日と11月6日の表記があり、幅があります。
全長も資料差があり、6,844ヤードとするものと6,830ヤードとするものが見られます。いずれにしても7,000ヤードには届かない設定で、極端に長いコースではありません。
一方でコースレートは72.8です。これは全長から想定されるよりやや高い数字で、距離以外の要素で難度が作られていることを示しています。地形と池がその要因です。
設計者の組み合わせが珍しい
このコースは2人の共同設計です。そして、その組み合わせが変わっています。
藤井義将は福岡県出身のプロゴルファーです。競技者としての視点を持つ人物が設計に関わっているということになります。
もう1人の瓦林潔は、当時の九州電力の社長だったと伝えられています。つまりプロゴルファーと電力会社の経営者による共同設計という構図です。
ゴルフコースの設計は専門の設計家が手がけるのが一般的で、この組み合わせは珍しいものです。地元の実業家が土地と事業を担い、競技者が戦略性を詰めるという役割分担だったと考えられます。
日本のゴルフ黎明期には、競技者が設計も手がける例がありました。第1回日本オープンの優勝者である赤星六郎もコース設計者であり、その兄の赤星四郎は同じ糸島市の芥屋ゴルフ倶楽部を設計しています。プレーする側が設計に関わるという系譜は、日本のコースに残っている特徴のひとつです。

雷山大溜池という名物ハザード
このコースの設計上の核が、雷山大溜池です。農業用の大きな溜池を、ハザードとしてレイアウトに取り込んでいます。
池がコースにあること自体は珍しくありません。しかし、もともとそこにあった大きな池を避けずに使うという判断は、設計の性格を決めます。
池のハザードが効いてくる理由は単純です。
- 打ち直しが効かない:バンカーやラフとは違い、入れたら戻せない
- ペナルティが確定する:1打罰での処置になる
- 視覚的な圧力がかかる:目に入るだけでスイングが変わる
- 刻む判断を強いられる:距離を落とす選択が正解になる場面が出る
結果として、攻めるか刻むかの判断を何度も求められるコースになります。距離が7,000ヤードに届かないのに難度の指標が高いのは、こうした要素によるものです。
池に入れたときの処置は、知っていないと現場で迷います。救済の手順はゴルフの赤杭ルール完全ガイドで3つの処置を整理しています。池の縁の杭の色によって処置が変わるため、スタート前に確認しておくと現場で止まりません。
丘陵コースとしての攻め方
雷山の裾野という立地から、起伏があります。平らな場所から打てる保証はありません。
傾斜地からのショットでは、距離の計算が平地と変わります。左足上がりなら高く上がって距離は出ず、左足下がりなら低く出て転がります。この差を見込んでクラブを1本変えるだけで、グリーン周りの苦労が減ります。
打ち方の考え方はゴルフ傾斜の打ち方で扱っています。
丘陵コースではブラインドのホールも出てきます。グリーンが見えない状況では、無理に乗せようとせず手前に運ぶ判断が効きます。距離が長くないコースだからこそ、刻んでも寄せのチャンスが残ります。
距離が短いコースをどう攻めるか
全長7,000ヤード未満でコースレート72.8という組み合わせは、攻め方を考えさせられる条件です。
長いコースでは、飛距離が足りないこと自体が障害になります。パー4で2オンが届かず、3打目勝負が続くという形です。対して距離の短いコースでは、届くからこそ迷いが生まれます。
池を前にしたパー4で、2打目がグリーンに届く距離だとします。ここで狙えば1打で乗りますが、外せば池で1打罰が加わり、打ち直しの位置から寄せることになります。刻めば3打目で乗せられる可能性が高く、パーの確率はそれほど下がりません。期待値で考えると刻むほうが有利な場面が多いという計算です。
ところが現場では、届く距離を前にして刻むのは心理的に難しくなります。ここが距離の短いコースの難しさです。技術ではなく判断で差がつきます。
判断の基準を事前に決めておくと楽になります。たとえば「池越えは、確実に届く距離より1クラブ余裕があるときだけ狙う」と決めておけば、その場で迷う必要がなくなります。基準がないまま毎回考えると、気分で選んでしまい結果が安定しません。
スコアを縮める段階では、この種の判断がそのまま打数に表れます。考え方の整理はゴルフ90切りの方法にまとめています。
グリーンの改修歴
グリーンはベントです。ただし最初からそうだったわけではありません。
1990年代に、クラブハウスの増改築とあわせてグリーンの全面ベント芝化が行われたと記されています。開場から20年近く経った時点での改修ということになります。
九州は温暖なため、高麗グリーンを使うコースも少なくありません。当サイトで扱っているコースのなかにも高麗グリーンのものがあります。ベントに切り替えたということは、速さと転がりを取る方向を選んだということです。
グリーンの種類は読み方に影響します。高麗は芝目が強く出るのに対し、ベントは傾斜のほうが効いてきます。どちらで管理されているかを事前に知っておくと、1番ホールでの戸惑いが減ります。
糸島エリアという立地
伊都ゴルフ倶楽部があるのは糸島市で、福岡市の西隣にあたる地域です。糸島半島の南部に位置しています。
同じ糸島市内には、当サイトで扱っているコースが2つあります。
- 芥屋ゴルフ倶楽部:海沿いのシーサイドコース。赤星四郎設計の名門
- 福岡雷山ゴルフ倶楽部:同じ雷山のふもと。チャレンジトーナメントの開催コース
伊都と福岡雷山は、どちらも雷山の裾野にあります。同じ山を背にした2つのコースという関係で、まとめて回るという計画も立てられます。
福岡県の東側に目を向けると、宗像市に玄海ゴルフクラブがあります。2029年の日本オープン開催が決まっているコースです。福岡を基点に西へ向かうか東へ向かうかで、コースの性格が変わります。
筑豊エリアにも27ホール規模のコースがあり、福岡県内でも地域によって性格が分かれます。
予約と当日の準備
予約は各社のゴルフ場予約サイトから取れます。料金はシーズンと曜日で動くため、条件を変えて比べると差が出ます。
楽天GORAで福岡県のコースを比較すると、日付と料金帯を指定して空き状況を確認できます。料金の仕組みはゴルフ場予約のコツにまとめました。
当日までに確認しておきたいのは次の点です。
- ボールの持ち数:池があるコースでは多めに用意する
- 天候:山沿いは市街地と条件が違う。ゴルフ場の天気の調べ方を参照してください
- スタート時刻と集合時間:福岡市内から向かう場合も朝の国道は混む
- 荷物:遠方からなら先に送る方法もある。ゴルフ宅急便の使い方にまとめました
池のあるコースでは、ボールの消費が増えます。普段より数個多く持っていくと、終盤で気をもむことがなくなります。
伊都ゴルフ倶楽部のQ&A
Q. いつ開場したコースですか?
A. 1976年11月です。日付は資料によって11月3日と11月6日の表記があります。
Q. 設計は誰が手がけましたか?
A. 瓦林潔と藤井義将の共同設計です。藤井は福岡県出身のプロゴルファー、瓦林は当時の九州電力社長と伝えられています。
Q. ホール数と全長はどれくらいですか?
A. 18ホール・パー72で、全長は約6,830〜6,844ヤードです。資料によって表記に幅があります。
Q. グリーンは何ですか?
A. ベントです。1990年代にクラブハウスの増改築とあわせて全面ベント芝化が行われました。
Q. どんな特徴のコースですか?
A. 雷山の裾野に広がる丘陵コースで、雷山大溜池を大きなハザードとして取り入れた設計が特徴です。
Q. 距離が短いので易しいのですか?
A. 全長は7,000ヤードに届きませんが、コースレートは72.8あります。地形と池で難度が作られているため、距離だけでは判断できません。
Q. 近くに他のコースはありますか?
A. 同じ糸島市内に芥屋ゴルフ倶楽部と福岡雷山ゴルフ倶楽部があります。福岡雷山は同じ雷山のふもとです。
まとめ
- 伊都ゴルフ倶楽部は福岡県糸島市にある18ホール・パー72の丘陵コース
- 開場は1976年11月。全長は約6,830〜6,844ヤードで、コースレートは72.8
- 設計はプロゴルファーの藤井義将と、当時の九州電力社長である瓦林潔の共同
- 雷山の裾野に広がり、雷山大溜池をハザードとして取り込んでいる
- 池があるため、攻めるか刻むかの判断を繰り返し求められる
- グリーンは1990年代に全面ベント化された
- 同じ糸島市内に芥屋ゴルフ倶楽部と福岡雷山ゴルフ倶楽部がある
距離では測れないコースです。7,000ヤードに届かない全長でコースレートが72.8あるという数字が、設計の意図を端的に示しています。
池を前にしたときの判断で、その日のスコアが決まります。無理に越えようとせず、刻んで寄せるという組み立てを用意しておくと、落ち着いて回れます。