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アディダスゴルフを調べると、少し混乱することがあります。アディダスのゴルフシューズやウェアは売られているのに、アディダスのドライバーやアイアンは見つからないからです。

これは事業の整理が行われた結果です。アディダスは2016年にゴルフ用具から撤退し、シューズとウェアだけを残しました。本記事では、その経緯と現在の姿を整理します。

かつてはクラブも作っていた

アディダスがゴルフ用具を持っていたのは、買収によるものです。

1997年、アディダスはフランスのサロモングループを買収しました。スキー用品で知られる会社でしたが、このグループにはゴルフクラブメーカーのテーラーメイドが含まれていました。つまりアディダスは、スキー用品の会社を買った結果としてゴルフクラブメーカーを手に入れたことになります。

その後、2005年にアディダスはサロモンを売却します。ただしこのとき、テーラーメイドだけはグループに残しました。ゴルフ用具事業には見込みがあると判断していたということです。

テーラーメイドというメーカーの成り立ちについてはテーラーメイドとはで扱っています。メタルウッドを生んだ会社で、1979年の創業です。

2016年の判断

状況は変わります。主力の米国市場でゴルフ用品の需要減が続き、収益が低迷していきました。

赤字が続き改善の見通しが立たないとして、2015年8月から売却を含む検討が進められます。そして2016年5月、アディダスはゴルフ用具事業からの撤退と売却方針を発表しました。

売却の対象は3ブランドでした。

  • テーラーメイド(クラブ)
  • アダムス(クラブ)
  • アシュワース(アパレル)

ここで重要なのが、同時に示された方針です。シューズとウェアの部門については、「アディダスゴルフ」として今後も展開すると明言されていました。つまりゴルフから撤退したのではなく、用具から撤退したということになります。

売却は2017年5月に決着し、米国の投資ファンドであるKPSキャピタル・パートナーズへ4億2500万ドルで株式が譲渡されました。日本円では報道により約476億円から485億円とされています。

アディダスの説明は一貫していました。主力のシューズとアパレルへ経営資源を集中させるという方針です。

Golf apparel and shoes displayed together on a clean wooden surface, photorealistic, no text

ナイキも同じ年に用具から撤退した

これはアディダス1社の事情ではありませんでした。

2016年8月、ナイキもゴルフ用品事業からの撤退を表明しています。対象はクラブ、ボール、バッグで、アパレルとフットウェアに集中する方針でした。

つまり2016年という1年に、スポーツ総合ブランド2社が揃ってゴルフ用具から離れたことになります。

理由は構造的なものです。クラブやボールの製造には、専門の設計者と設備投資が必要になります。素材開発や金型、試作の積み重ねが性能を決める世界で、専業メーカーが長年投資してきた領域です。総合ブランドが片手で続けられる事業ではないという判断が、2社に共通して働いたと見られます。

対してシューズとアパレルは話が別です。ここは両社の本業であり、ゴルフ向けの設計を加えるだけで戦えます。得意な領域に絞ったという整理になります。

この撤退は、買う側にとって悪い話ばかりではありません。総合ブランドが用具から抜けたことで、専業メーカーに開発資源が集まる構図になりました。実際、クラブの性能競争は現在も専業メーカーのあいだで続いています。

一方で、シューズとアパレルの選択肢は増えました。用具を持たないぶん、ゴルフ向けのフットウェア開発に集中できる立場になったということです。ゴルフシューズの価格帯が広がり、入門向けの選択肢が充実してきた背景には、こうした事業の整理も関係しています。何でも作っているブランドより、何を作っているかがはっきりしているブランドのほうが、選ぶ側としては判断しやすい面もあります。

現在のアディダスゴルフ

用具から離れた現在、展開しているのは2つです。

シューズは主要な柱です。Tour360やCodeChaosといったラインが長く続いており、スパイクとスパイクレスの両方が揃っています。価格帯も上から下まで幅があり、入門から上位まで選べる構成です。

アパレルでは ULTIMATE365 というシリーズがポロシャツやショーツで展開されています。近年はアディダス・オリジナルスの文脈を持ち込んだゴルフラインも出ています。

ゴルフ用具への再参入については、公表された情報が見当たりません。現在のアディダスゴルフは、シューズとウェアのブランドとして理解するのが正確です。

シューズに強みがある理由

アディダスゴルフを選ぶなら、まずシューズから見る価値があります。理由は出自です。

スポーツシューズを長く作ってきた会社であり、足を支える技術の蓄積があります。ゴルフでは1ラウンドで10キロ近く歩き、さらにスイングのたびに地面をねじります。歩行の負荷と回転の負荷が同時にかかるという条件です。

確認したい点は次のとおりです。

  • スパイクかスパイクレスか:グリップと歩きやすさのどちらを取るか
  • ねじれへの強さ:下半身が回転したときにソールが逃げないか
  • クッション性:後半の疲労に直結する
  • 防水性能:朝露や雨で濡れる前提か

スパイクとスパイクレスの違いや選び方の基準はゴルフシューズの選び方で詳しく扱っています。同じく運動用品の出自を持つブランドとしてはニューバランスゴルフとはも比較対象になります。

ウェアの位置づけ

アパレルについては、価格帯が中位に置かれています。専業のゴルフブランドより抑えめで、量販系より上という位置です。

機能表示で見るべき点はウェア全般と同じです。伸縮性、汗の処理、日差しへの対応の3点を確認すれば大きく外しません。襟付きのトップスが軸なので、ドレスコードの基本的な条件は満たせます。服装の考え方はゴルフの服装完全ガイドで整理しています。

価格を最優先するなら別の選択肢もあります。一式を低価格でそろえる方向はワークマンゴルフの実力、通常ラインから選ぶ方向はユニクロでゴルフウェアで扱いました。

在庫と価格を横断して見るなら、楽天市場でアディダスゴルフを探すやAmazonでアディダスゴルフを探すから探せます。

ヴィクトリアゴルフで商品を探すでも、サイズやカテゴリで絞り込んで比較できます。

中古や型落ちを探すとき

シューズは消耗品ですが、型落ちを狙う価値があります。モデルチェンジのサイクルがあるため、前年のモデルが値下がりすることがあります。

ただし注意点があります。

  • サイズ感はモデルで変わる:同じブランドでも足入れが違う
  • ソールの摩耗:中古ではグリップが落ちている可能性がある
  • スパイクの交換可否:替えスパイクが入手できるか
  • 防水性能の劣化:使用とともに低下する

シューズは足に合うかどうかが性能より効きます。可能なら試着してから決めてください。

試着するときは、ラウンドで履くソックスを持っていくと判断が正確になります。薄い靴下で合わせたサイズは、厚手のソックスを履いた本番で窮屈になります。夕方に試すほうが実際に近いという考え方もあります。足は1日の終わりにわずかに大きくなるためです。

アディダスゴルフに関するQ&A

Q. アディダスはゴルフクラブを作っていますか?

A. 現在は作っていません。2016年に用具事業からの撤退を発表し、2017年にテーラーメイドを売却しました。

Q. なぜテーラーメイドを持っていたのですか?

A. 1997年にサロモングループを買収した際に含まれていたためです。2005年にサロモンを売却した後もテーラーメイドは残していました。

Q. 売却額はいくらでしたか?

A. 4億2500万ドルです。日本円では報道により約476億円から485億円とされています。売却先は米国のKPSキャピタル・パートナーズでした。

Q. ゴルフから完全に撤退したのですか?

A. していません。用具から撤退する一方で、シューズとウェアは「アディダスゴルフ」として継続する方針が同時に示されました。

Q. 他にも撤退したブランドはありますか?

A. ナイキも2016年8月に、クラブ・ボール・バッグを含むゴルフ用品事業からの撤退を表明しています。

Q. 今は何を売っているのですか?

A. ゴルフシューズとゴルフアパレルです。シューズはTour360やCodeChaosといったラインが続いています。

Q. どこから選べばいいですか?

A. シューズから見るのが分かりやすい選択です。スポーツシューズの出自があり、歩行と回転の両方の負荷に向き合ってきた蓄積があります。

まとめ

  • アディダスは1997年のサロモン買収でテーラーメイドを取得し、2005年のサロモン売却後も残していた
  • 米国市場での需要減と収益低迷により、2015年8月から売却を検討
  • 2016年5月に用具事業からの撤退を発表。対象はテーラーメイド、アダムス、アシュワース
  • 同時に、シューズとウェアは「アディダスゴルフ」として継続する方針を示した
  • 2017年5月、KPSキャピタル・パートナーズへ4億2500万ドルで売却
  • 2016年8月にはナイキもクラブ・ボール・バッグから撤退を表明した
  • 現在はシューズとアパレルのブランド。用具への再参入の情報はない
  • 選ぶならシューズから。歩行と回転の両方の負荷に向き合ってきた出自がある

クラブを手放して、得意な領域だけを残した。これがアディダスゴルフの現在の姿です。

ドライバーを探しても見つからないのは、事業の整理の結果です。シューズとウェアのブランドとして見れば、何を期待できるかははっきりしています。