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マスターズは、男子プロゴルフの4大メジャーのうち最初に開かれる大会です。4月に行われ、優勝者が緑色のジャケットを着る場面は、ゴルフを知らない人でも見たことがあるかもしれません。

ほかの3つのメジャーと決定的に違う点がひとつあります。毎年同じコースで開かれるということです。この一点が、大会の性格をほとんど決めています。本記事では、マスターズの成り立ちと仕組み、観戦の見どころを整理します。

マスターズはいつ始まったのか

第1回は1934年に開かれました。最初の5回は「オーガスタ・ナショナル招待トーナメント」という名称で、マスターズという呼び方は当初から非公式に使われていたものです。

創設に関わったのがボビー・ジョーンズです。1930年に競技ゴルフから引退したあと、1933年にオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブを創設し、設計にも関わりました。そしてこのクラブが1934年から毎年開催しているのがマスターズです。

つまり選手が自ら作ったコースで始まった大会ということになります。他のメジャーが協会主催であるのに対し、マスターズはクラブが主催しているという点も、ここに由来します。

唯一コースが固定されているメジャー

マスターズの最大の特徴は、開催地がオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(米国ジョージア州オーガスタ)に固定されていることです。

ほかの3大会は複数のコースを持ち回ります。

大会 開催地
マスターズ オーガスタ・ナショナルに固定
全米プロ 持ち回り
全米オープン 持ち回り
全英オープン リンクスコースを持ち回り

固定であることの意味は大きいです。選手も観る側も、毎年同じ18ホールを比較できるからです。あのホールで誰がどう攻めたか、何年の誰と比べてどうだったかという蓄積が積み上がっていきます。

結果として、特定のホールが固有名で語られるようになりました。コースの一部が物語として共有されているのは、開催地が動かないからこそ成り立つことです。

グリーンジャケットという伝統

優勝者が緑のジャケットを受け取るのは、1949年のマスターズから続く慣習です。第1回から始まったものではありません。

ジャケットは記念品というより、クラブの一員としての象徴という扱いになっています。優勝者がそれを着て翌年戻ってくるという流れが、この大会の映像的な記憶を作ってきました。

Golf trophy and a folded green blazer on a wooden table in warm light, photorealistic, no text

出場資格と優勝者の特典

出場は「招待」で決まる

マスターズは招待制の大会です。ただし招待は主催者の気分で決まるものではなく、公表された基準を満たした選手に自動的に出されます。

基準のひとつが世界ランキングです。公式世界ゴルフランキングの上位50名は全員招待されます。このほか、過去のメジャー優勝者やアマチュア競技の勝者などにも枠があります。

招待制であるため、出場人数は他のメジャーより少なくなります。4大会のうち最も出場者が絞られる大会という性格です。

アマチュアにも枠がある

招待枠はプロだけのものではありません。アマチュア競技の勝者にも枠が用意されており、毎年アマチュア選手が出場しています。プロだけの大会ではないという点は、意外に知られていません。

アマチュアの資格やハンディキャップの考え方についてはゴルフのハンディキャップとはで扱っています。

優勝すると何が得られるか

マスターズを制した選手が得るものは、賞金とジャケットだけではありません。

  • マスターズへの生涯出場権
  • 他の3つのメジャーへの出場権
  • 翌5シーズンのPGAツアー会員資格

生涯出場権があるため、往年の優勝者が高齢になっても出場します。かつての王者が同じコースに戻ってくるという光景は、固定開催と生涯出場権の組み合わせによって生まれているものです。

この仕組みは大会の空気にも影響しています。初日と2日目には、過去の優勝者と現役のトップ選手が同じ組で回ることがあります。記録を狙う選手と、記録を作った選手が並んで歩く場面が毎年生まれるのは、他のメジャーにはない構図です。

4大メジャーのなかでの位置づけ

男子のメジャーは年4回あり、開催は春から夏にかけて順に進みます。

順 大会 時期
1 マスターズ 4月
2 全米プロ 5月
3 全米オープン 6月
4 全英オープン 7月

マスターズはこのうち年の最初にあたります。シーズンが本格的に動き出す合図として見られるのは、この並びによるものです。

開催は4月の最初のフルウィークに設定されています。毎年ほぼ同じ時期なので、予定を立てて観戦しやすい大会でもあります。

なぜ難しいコースなのか

中継を見ていると、世界の上位選手が短いパットを外したり、刻んだ球をさらに刻んだりする場面が出てきます。距離が極端に長いわけではないのに、なぜそうなるのかという疑問が残ります。

理由はグリーン周りの傾斜にあります。グリーン自体が速く、さらに面が大きく傾いているため、乗せる位置を間違えると2パットで収まらなくなります。選手がピンを直接狙わず、あえて手前や横に外すのは、そこからなら上りのパットが残ると分かっているからです。

この構造が効いてくるのは、ミスの代償が一方向でないという点です。長いと下りが残り、短いと寄せが難しくなる。左右を外せば傾斜を横切るラインになる。どこに外しても別の難しさが出てくるため、安全な場所という発想が成り立ちません。

もうひとつは風の読みにくさです。高い樹木に囲まれた土地では、ティーイングエリアで感じる風とボールが飛ぶ高さの風が違うことがあります。選手が打つ直前に何度もクラブを替えるのは、この判断に時間をかけているからです。

こうした構造は、規模を小さくすれば一般のコースにも当てはまります。グリーンの傾斜を読んで手前から攻めるという考え方は、スコアを縮める段階で必ず出てくる話です。パーオンの考え方はゴルフ90切りの方法にまとめています。

観戦するときの見どころ

同じコースで毎年やるという特性から、見るべき点がはっきりしています。

グリーンの速さです。オーガスタ・ナショナルのグリーンは速さと傾斜で知られており、下りのパットが残ると止まらなくなります。選手がカップの手前から攻めようとするのは、奥に乗せると手がつけられなくなるからです。この考え方はアマチュアにも通じます。

風と番手の選択も見どころです。同じ距離でも、選手が前年と違うクラブを持つことがあります。コースが変わらないため、こうした判断の違いが浮かび上がります。

終盤のホール配置も設計の妙です。後半に大きくスコアが動く構成になっており、最終日の午後に順位が入れ替わります。

ルールの基本を知っていると、見え方が変わります。ペナルティの処理や救済の手順はゴルフルール基本ガイドで整理しています。池に入れたときの処理はゴルフの赤杭ルール、バンカーの決まりはバンカーのルールと打ち方にまとめました。

トーナメントコースを自分で回る

テレビで見た大会のコースを自分で回るという体験は、日本国内でもできます。トーナメントが開催されたコースの多くは、一般のゴルファーにも開かれています。

当サイトで扱っている例としては、国内男子ツアーの舞台である芥屋ゴルフ倶楽部、2015年の日本オープンが開かれた六甲国際ゴルフ倶楽部、チャレンジトーナメントが毎年開かれる福岡雷山ゴルフ倶楽部、米国女子ツアーの公式戦が行われた瀬田ゴルフコースがあります。

プロが戦ったグリーンに自分のボールを乗せると、中継で見ていた判断の意味が実感として分かります。楽天GORAでトーナメント開催コースを探すと、日付と料金帯を指定して空き状況を確認できます。予約の考え方はゴルフ場予約のコツにまとめました。

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マスターズに関するQ&A

Q. マスターズはいつ始まった大会ですか?

A. 1934年です。最初の5回は「オーガスタ・ナショナル招待トーナメント」という名称でした。

Q. どこで開催されますか?

A. 米国ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブです。4大メジャーのうち、開催地が固定されているのはマスターズだけです。

Q. 時期はいつですか?

A. 4月の最初のフルウィークに設定されています。年の最初のメジャーです。

Q. グリーンジャケットはいつからの慣習ですか?

A. 1949年の大会から、優勝者に授与されています。

Q. 出場資格はどうなっていますか?

A. 招待制ですが、公表された基準で自動的に決まります。世界ランキング上位50名は全員招待されます。

Q. 優勝すると何が得られますか?

A. マスターズへの生涯出場権、他3メジャーへの出場権、翌5シーズンのPGAツアー会員資格などです。

Q. アマチュアも出られますか?

A. アマチュア競技の勝者に招待枠があります。

まとめ

  • マスターズは1934年に始まった、年最初のメジャー大会
  • ボビー・ジョーンズが創設に関わり、クラブ主催という形を取っている
  • 4大メジャーで唯一、開催地がオーガスタ・ナショナルに固定されている
  • グリーンジャケットの授与は1949年から続く慣習
  • 出場は招待制だが、世界ランキング上位50名など公表基準で自動的に決まる
  • 優勝者には生涯出場権が与えられ、往年の王者が毎年戻ってくる
  • 4月第1フルウィーク開催。以降は全米プロ、全米オープン、全英オープンと続く

同じコースで毎年争うという仕組みが、この大会の積み上がりを作ってきました。何年も見続けると、ホールごとの記憶がつながっていきます。

観るだけでなく、国内のトーナメント開催コースを自分で回ってみると、中継の意味が変わります。プロが刻んだ理由が、自分の球で分かるようになるからです。

4月のこの1週間を押さえておけば、そこから5月、6月、7月と続くメジャーの流れも追いやすくなります。まずは最初の大会から見始めるのが、シーズンの入り方としては素直な順序です。